以前から、しばしば末期がんの患者さんとメールのやり取りをしてた。
http://artmic8neo.blog.shinobi.jp/Entry/602/
その人とはもう10年以上も前に出会った。
時にはメールで悩みを打ち明けたり。
なんどあの励ましが支えになった事か。

ここのところの不調で、急にまた気掛かりになり、久しぶりに先日メールを出した。
その日の朝、『算法少女』プロデューサーの三村さんから電話で、氏が製作に携わっているあるホームページの事で相談を受けた。
映像が上手く動作しないので、見て欲しいという事だった。
そのホームページはガンの治療に関する専門団体のホームページだった。
一通りの相談をして、その日はそれで終わった。

次の日別件で電車に乗っている途中、ふと気付いた。
その人からの返事が無い。
いつもなら10分とたたないうちに返事が返ってくるのに。。

そうか、そういうことだったのか。
ぼくはあんドーナツを自分の家の神棚(毎年、穴八幡宮を参拝する)に供え、今朝それを食べた。
昨夜は背中の痛みがひどかったので、シップを2枚張って寝た。
今朝は爽快だ。
不思議と涙はなかった。
少なくとも苦しみから解放されたのだろうから。
『死』が必ずしも悪しきものとは限らない。
『死もまた生の一部なのだから(フォレストガンプ)』

メールの返信はない。
今、思う。
黄泉からのメッセージだったかもしれない。
つまり僕は、この部屋にいながら、黄泉を見ていたのかもしれない。
人生は限られている。
悔いてはいけないんだ。

ガンが発覚したころの、その人からのメッセージを、もういちどここに記しておきたい。
『あっという間だね、人生は!だからさあー、Shiroくん!やりたい事はどんどんやらないとね!やり残しはだめだよ。自分の好きな事は、何を置いても、つきすすんでね。人生は挫折と試練の繰り返しです。でも、自分の決めた道はまっすぐにね。人生終える時に、自分の人生はいい人生だった!っていえるようにね。』

そうでした。
忘れていました。
僕は忘れっぽい。
だから、今日はとにかく精一杯の速度で走ろうと思う。
明日は、明日の早さで。
一つ一つ確実に噛み締めていきたい。

Marie-Denise Pelletier - Le temps des cerises

[2回]