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2010 05,19 21:37 |
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■第四楽曲『Maria』http://www.youtube.com/watch?v=VzkkOP9Buas 『ゼロツーさま、申し訳ございません。』 ブラックスミスが申し訳なさそうに言った。 そう言えば俺はこいつと面と向かって話しをした事がなかった。 ゼロツー。。さま。。? 『申し訳ございません、貴女さまのGPエアライナーの構築は未だ半分ほど。。急ピッチで作業を進めてはおりますが、、もう一つ《先に》ロールアウトなさなければならない案件があるのです。何卒ご了承下さいませ。』 こんなにでかい図体をしておきながら、こいつはやけに丁寧な、、いや少しばかり古風とも思えるしゃべり方をする。 『いい。。。おれはあまり走るのが好きではないんだ。』 『おや?テクノローラーともあろうお方が。』 『そいつを言うな。』 『申し訳ございません。』 ブラックスミスがあまりに謙遜した話し方をするので、俺も何故だか上からものを言うしゃべり方になってしまった。 『こちらへ。』 ブラックスミスが俺を案内した。 『ご覧下さい。これが貴方さまの新しいGPエアライナーです。』 ブラックスミスが示す先には、ロケットエンジンのような物が鎖で宙吊りにされていた。 『これが貴方さまのGPエアライナーでございます。』 外皮はない。 むき出しの機械が露になっている状態だった。 『美しいでしょう?組み上がったあかつきには、そこらのGP乗りになど負ける筈もありません。あたりまえです、貴方さまは選ばれたお方なのだから。』 『なに?』 俺は、ブラックスミスの語尾に引っ掛かった。 『なんだそれは?』 『なにがです?』 『俺が選ばれた、、だと?』 ブラックスミスの体の駆動音がやや静かになり、やつの外皮の奥の瞳が一瞬光ったように見えた。 俺はその《間》を見逃さなかった。 聞きたい事は山ほどある。 何から聞けば効率的か? いや、まともな計算をしたところで、こいつらはロジックが違う。。 『貴方さまも、、ご覧になったのでしょう?』 奴の方から先に質問してきた。 『ユニゾンの儀式か?』 『し!ここでその名を口にしてはいけません。秘密の回線を使います。』 ブラックスミスがそう言うと、俺の思念スクリーンの中で回線が開いた。 その回線は、俺がプレガンドと会話した回線とはまた別のラインだった。 《聞こえますか?》 《ああ。》 《これは私と貴方さまだけの回線です。ドミナントの主要メンバーは、個別の回線を使う事が出来ます。この回線は他の回線からの影響を受ける事はありません。》 俺はドミナントのメンバーになったつもりはない。 《一体ここ(施設)はどうなっている?》 俺は不機嫌な口調で言った。 《この地下施設には約550万のテクノピープルがいます。これは私どもディーゼルワーカーなども含めた数字。その全てが、マリア様をお守りするために存在しています。》 《それは聞いた。》 《はい。今やその半数以上がユニゾンのメンバーになっています。どこで誰が聞いているか解らない状況なのです。》 《聞かれたらどうなる?》 《どうにも。どうにもなりません。何も起きません。ただ、(ユニゾン)という語彙を含んだ会話は、全て保存されてしまうのです。そして、そのデータは常にユニゾンのチェックを受けています。》 《それがどうした?聞かれてまずいことでもあるのか?》 《それは、私どもがある秘密の物を作っているからです。》 おもしろい。 《秘密の物?なんだそれは?》 《それはまだ今の貴方さまには申し上げられません。大変申し訳なく思います。》 なるほど。 《つまりこうか?おまえたちはユニゾンに何か隠し事をしているわけだな。ここには信用出来る奴はどのくらいいる?》 俺は皮肉を込めて言った。 《教授(プレガンド)とコマンダーと私は、どうぞご信用下さいませ。とにかく、貴方さまはこの秘密計画の為に選ばれたのです。》 《誰が選んだと言うんだ。》 《それをお答えする権限が私にはないと思います。どうぞ教授(プレガンド)にお聞き下さい。》 またそれか。 おれはまたイライラしはじめていた。 ※公式サイト更新しました。 PR |
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