NEW COAT OF PAINT
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Let's put a new coat of paint on this lonesome ol' town. Set 'em up we'll be knockin 'em down. You wear adress baby,I'll wear a tie. We'll laugh at that ol' bloodshot moon In that burgundy sky(TOM WAITS).
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2010
04,12
21:24
胸いっぱいの愛を2(黒蝶色〜こくちょうしょく〜)
CATEGORY[☆未消化シノプシス]
発端は祖父の遺品だった。
あの忌まわしい先の大戦で、外人部隊の傭兵として出兵していた祖父は腕利きのスナイパーとして特殊な任務に就き、大戦の勝敗をも左右させるほどの仕事をしたとかしないとか。
その後、本国へ戻った祖父は戦争の事を一切口にする事無く、平穏で幸せな暮らしを晩年まで続けたのだそうだ。
俺の記憶の中じゃ、祖父に関する記憶は限りなく無に等しい。
というのも、俺が乳飲み子を卒業するかしないかの頃に、祖父はバイクの交通事故で他界したからだ。
けっして無謀な運転をする人ではなかったという。
退役後、サイダー会社を自ら立ち上げ、見事にその事業が成功し、巨万の富とまではいかないが家族全員を養うには十分な稼ぎだったらしい。
サイダーの売れ行きはなかなかのもので、配達の従業員が足りない時は祖父自らがバイクで配達にまわったのだそうな。
そんな中だ。
運の悪い日が祖父を襲ったのは。
他県へまたぐ国道の峠道で、対向車線の軽トラックが祖父のバイクを正面から飲み込んだ。
原因はトラック運転手の居眠り運転であった事が後の供述で明らかになっている。
いずれにせよ、祖母や父母が駆けつけたときには、祖父は祖父でなかったらしい。
いくつもの肉片が並べてあり、どれがわたしの主人ですか、と祖母は泣きじゃくったのだという。
『砂糖と水があればサイダーは作れる』
それが祖父の口癖だったそうだ。
数ヶ月前、そんな昔話をしてくれた祖母も幸せに逝った。
葬式の後、祖父母の家を整理していたときにそれを見つけた。
ライフルだ。
もう何十年と開いていなかった天袋から、年月の分の埃と混じりボロ布に包まれたそれが出て来た時は内心どきりとした。
錆び付いてはいたが、妖艶な黒のボディは主人を失っても尚牙を剥く狼のように思えた。
一体どれほどの魂を吸って来たのだろうか。
祖父は銃で数キロ先の標的を狙撃する事が出来たと誰からか聞いた事があった。
祖父は家族の前で殺人の儀式の内容を決して語らなかったが、密儀というものは隠せば隠すほど明るい場所へ行こうとするものだ。
それがこの銃。。
退役と同時に武器は全て軍に返品したと思っていた。
しかしこのライフルだけはどのようないきさつがあったか知らないが、返品される事は無かったようだ。
おそるおそる銃口を覗いてみると、無数の怨念すら感じてぞっとした。
俺はそれを再びボロ布に包むと誰にも気付かれないようにそっと自宅へ持ち帰った。
狼は生きていた。
『なんておぞましいやつだ』
そんなふうに思いながらライフルをネジの1本まで解体し、磨いてやった。
自分が何故そんな行動に出たのか解らなかった。
慰霊のつもりだったのか、それとも未知な世界へのある種の興味か。
磨けば磨くほどにどす黒い輝きを増した。
腐敗しつづけるこの世界で、お前だけは唯一かわらぬ魂を持っているのかもしれない。
鋼鉄の体に窓から差し込んだ光が反射したとき、暗黒の魔王が微笑んだような気がした。
あれから何ヶ月か、時間の感覚さえ解らずに自分の部屋に籠っている。
唯一の楽しみと言えば恋人が出来た事だ。
俺の住んでるマンションから1kmほど離れたマンションの6回に彼女は住んでいる。
606号室。
窓からライフルのくちばしを彼女の部屋に向け、スコープを覗くと彼女は今日もかわらない仕草だ。
レンズの中の十字架で彼女の体のいろいろな部位を愛撫した。
最初は誰かに見られてないか心配したり、自分の行動に異常性を感じたりもしたが、彼女と会話を始めるまでに1週間とはかからなかったと思う。
そして2週目に入った頃、俺はいてもたってもいられなくなり、眠らない街で実弾を購入した。
場末の焼き肉屋のある路地を1本裏通りへ行くと、街の様相は一変する。
不法外国人にまやかしの安堵感を与えるのと引き換えに、俺はライフルの銃弾を1発だけ手に入れた。
『今日はどんな一日だった?』
『何故そんな事を聞くの?』
『なんでもない、ただの会話だよ。』
他愛も無い言葉の羅列ばかりだったが、時折見せるお前の笑顔がたまらなく俺を幸福にした。
夏の夜の湿気ときたらサウナも顔負けのこの部屋だ。
しかし俺は敢えて室内の空調をダウンして、もうかれこれ10日は同じタンクトップのまま窓辺に張り付いている。
蒸し暑さで滝のように滴る汗と、染み付いたにおいでクラクラしそうだが、それがいい。
それが気に入ってる。
なぜなら、お前とずっと愛し合った汗のように感じる事が出来るからだ。
ボロ雑巾のようなタオルで汗を拭いながらレンズの中のお前だけを見つめている。
俺はトリガーを撫で回す。
お前は汗を拭く。
俺も汗を拭く。
お前は服を脱ぐ。
そうだ、ゆっくりだ。俺たちの他には誰もいやしない。だからカーテンを閉める必要は無い。
お前の住んでるマンションより高いマンションはその辺りにはないのだから。
俺のマンションとは1Kmほどの距離があるが俺はお前に会いに行く事が出来る。
なぜなら俺は黒い悪魔の橋を所有する闇の帝王。
影と蒸気の中より生まれ出(いで)し狼の子孫。
今夜もお前は俺の、俺だけのものだ。
強烈な支配感が俺の脳を蹂躙する。
俺の脳波をキャッチしろ。
その脈動は次第に膨れ上がる。
発射したい。
それは即ち告白を意味する。
ツァラトゥスラはかく語りきのツァラトゥスラが何を語ろうとしたかなんて誰にも解らない。
しかし作者が曲に込めたのは『言葉』だ。
五線紙に並べた、石ころのような音符たち。
俺たちの知る言葉ではなくても、饒舌に語る詩人の舌だ。
言うなればこのライフルは五線紙。
この銃弾は俺の想いの全てを込めた音符、言霊(ことだま)だ。
受け止めてほしいこの想いを。
お前の柔らかなその肌で。
受け止めてほしいこの想いを。
お前のバラのような色をした肉で。
受け止めてほしいこの想いを。
お前の花びらで。
行こう。悦楽の彼方へ。
そして今宵、この胸いっぱいの愛は音楽となり、更なる音階を求めて輝きの糸を紡ぎだすのだ。
トリガーにかけた指にいつもよりもより強い圧力がかかろうとした時、辺りが白く光った。
一瞬何が起きたのか理解出来なかったが、その純白が元通りの黒に溶解すると謎は解けた。
雷鳴。
そして、街を雨が包み込みはじめた。
もう一度。
今度は部屋の隅に置いてあった鏡に反射した。
そこに鏡を置いていたことさえ忘れていた。
鏡の向こうには狂気の男がいた。
そしてすぐに理解した。
俺はあの女には相応しい男ではない事に。
美しさと狂気の、あまりにかけ離れた壁の高さに。
降り出した雨に空は憂鬱な色に染まった。
おれはうつろな視線をライフルに向けた。
愛おしい。
俺はライフルを手に持った。
ダンスを踊ろう、悦びのワルツを。
『愛してる』
そしてお前を愛撫した。
お前の穴という穴を求めて舌で愛撫した。
『やっと振り向いてくれたのね。』
『ああ、随分回り道をしたが俺はもう大丈夫だ。』
『この雨はいつまで降り続くの?』
『やがて晴れわたる。』
『愛してる?』
『狂おしいほどに。』
俺はお前を口にくわえ、お前の指を握った。
そしてこう言った。
『俺はお前の物だ』
そういって俺はお前の指を一層強く握ったんだ。
銃声。
ブラックアウト。
Led Zeppelin whole lotta love Dance Remix
http://www.youtube.com/watch?v=6ccBFjOcd-4
[3回]
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