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2010 04,11 23:41 |
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僕、あの娘と会う時が一番楽しかった。 一緒にお弁当食べたり、公園を二人で散歩する時なんか手をつないだ事もある! 僕たちは本当に気が合った。 好きな食べ物も、音楽も。 僕が赤いセーターを着て行った時、偶然きみも同じ色の服を来て来たことがあったっけ。 あの時は笑ったなあ。 ただの偶然とはいえ、そんなにも考えが合致するものだろうか? こう思うんだ。 時間って言うのはきっと作り出されるものなんかじゃない。 きっと次の、そのまた次の、そのまた次の次の時間まで既に決められているんだって。 本物の愛が何かなんて考えた事もなかったけど、愛が今ここにあるのならそれで十分だと思ってた。 いつも廊下ですれ違うと、僕が何も言わないのににっこり笑ってくれたよね。 まるで僕がきみの事、好きだ、って知ってるかのように。 その瞬間がとてつもなく好きだった。 また微笑んでほしいから、またきみの前を通り過ぎてしまうんだ。 『大好きなんだ』 そうココロに抱きながら。 なのにアイツときたら!! しつこくきみにつきまとってくる。 今日だってそうだ。 今年一番の満開の桜が見れるだろうから、一緒に見に行こう、って誘おうと思ってたのに。。 あの男が悪いんだ。 あの醜悪でくさいにおいのするただのオス豚だ。 貴様が何を持ってる?カネか?車か? 貴様なんざ例え高貴な料理を出されようと、腹を満たす為にしか食事が出来ないんだ。 貴様を地面に這いつくばらせ、その中身の無い頭をタマゴのように踏みつぶしてやりたい! しばらく踏みつぶすと貴様の頭は形がなくなり、、、、 僕はいつしか地面を蹴り続けていた。。。 僕はまるで右足だけ赤いブーツを履いたピエロみたいだ。 そこで目が覚めた。 今朝。 夢だったんだ。 今日は朝からずっとずっとドキドキしっぱなしだった。 だって、今年一番の桜をきみと一緒に見るんだ。 それはそれは幻想的な場所なんだよ。 きっとぼくらの他には誰もいない。 静かな場所さ! しばらく上を向いてると、あまりの桜の花に自分が上を向いてるのか下を向いてるのか解らなくなるくらい! それはきっとこの薄汚い地上に出現したただ一つの束の間の宇宙なんだ。 憎しみの無い、ただただ愛だけが漂う宇宙なんだ。 その美しさに比べれば光すら湾曲して見えるんだよ。 そんな宇宙にきみを逃がしてあげる! しかし僕には力が無い。 万年運動不足のこの体。 肝心な時の喘息。 こんなんじゃ到底きみを逃がしてあげることなんて出来ない。 いつも思うんだ。 この次生まれてくる時は、もっと男らしく生まれてこようって。 だからピストルを買った。 昔きみと行った事のある繁華街、覚えてる? ほら、映画を見に行ったあと必ず寄った安い場末の焼き肉屋さんがあったでしょう? そうそう、きみはあのとき新品の、とてもかわいらしい指輪をはめて来てくれたんだよね、ぼくと会う為に。 とても高そうだった。 とても美しかった。 とても嬉しかった。 まるで結婚指輪のように見えたその指輪。 ぼくに自慢げに見せたとき、きみは過ってその指輪をマンホールに落としてしまったんだよね。 だからぼくは同じものを買ってあげる、って言ったけど、きみは『お金じゃない』って泣きじゃくっていた。 とても悔しい思いをしたあの繁華街。 あの通りをもう一本裏通りへ行くと、ピストルを買えるんだよ。 普通の人は知らないさ。 え?いくらしたかって? あはは、お金じゃない、よ。 ぼくの気持ちなんだから。 今夜、ぼくは2つの閃光を見た。 一つは醜い弧を描き、もう一つは迷いのない美しい直線だった。 さあ、ごらんこれが満開の宇宙さ。 不安も焦りもない。 本当の宇宙さ。 きみはきっと星座になる! 天体で最も美しい星座に。 ビーナスだってきっと嫉妬するに違いないよ! ああ! ぼくも一緒に行けたら良いのに! きみと永遠に宇宙を散歩したい。 ああ、きみと。。。 だから今だけ、、ぼくたちは一つになるんだ。 ああ! さあお逃げ。 彼方まで。 サイレンが近くまで来ている。 行かなきゃ。 けっして捕まるんじゃないよ。 そして僕たちの愛の結晶を、蔑みの無い宇宙で育んでおくれ。 サイレンが近くまで来ている。 行かなきゃ。 切ないよ。 解ってる。 でも行かなきゃ。 離れたくない。 行け!! 。。。さあお逃げ。 両手首に重みのある冷たさを感じたとき、ぼくやっと正直になれた。 今やっと正直に言葉を紡ぎだせる。 いくらおまわりさんがぼくのことをボコボコにしたって、ぼくは笑ってやるんだ。 僕の歯を千本奪うがいい、だけどこの気持ちだけは未来永劫ぼくの、ぼくだけの物だ。 ぼくの手も脚も持っていくがいい。 目玉なんて無くたって世界は見えるんだ。 このスコップももういらない。 だけど広がりゆく赤の中で、この気持ちだけはシミ一つ付けさせない。 ありがとう。 ぼくのつまらない人生に、たった一つだけ咲いた可憐で美しい花。 さようなら。 ぼくの真っ暗だった道に、明かりを灯してくれた花。 だから、 だからぼくはあの桜並木の中でもひと際輝きを放つ大樹(たいじゅ)に向かって叫ぶんだ。 『愛してる!』 そう、今まで一度も口に出来なかったその言葉を! この閑散とした欺瞞と蔑みの世界に現れた、束の間の幻想の小宇宙で! ぼくのこの、胸いっぱいの愛を! 高らかに、高らかに。 Goldbug - Whole Lotta Love ( 1996 ) http://www.youtube.com/watch?v=6zHTuPhkWjo PR |
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