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2010 04,10 22:08 |
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数年前、坂道の途中にあるクロスロードで悪魔と契約を交わした。 じっと過去の時間についてあれこれ考えていると、ひときわ大きな雨粒の中から悪魔が姿を現した。 さほどに気にもとめなかったが、少し話し相手が欲しかったので、声をかけてみた。 『もし』 こちらがそう言いおわるやいなや、悪魔がぞっとするような笑みで振り向いた。 それからぼくたちはいろんな話をした。 ねばねばした空気ののはなしや世界の真ん中に建つ大きなバベルの塔の話について。 悪魔はバベルの塔にのぼってみたいか?とたずねてきたから、ぼくはのぼってみたいと答えたんだ。 そんなたかいところからみた世界はとてもきれいなのだろう。 空気もきっとねばねばしてない澄みわたる青に違いないと思った。 すると悪魔が一枚の紙とペンをとりだした。 契約書だった。 それにサインをすれば好きなものを与えてやるという。 内容を読む必要はないよ、自分は良い悪魔だから、と言った。 ぼくはバベルの塔にのぼってみたかったから、すぐにその契約書に自分の血をインクにしてサインをした。 そのかわりにお前の魂をいただくよ。 悪魔が言った。 だからぼくは魂はいつ取りにくるのかと尋ねた。 『安心しなさい。今は必要ない。数年後か数十年後か、わたしが欲しいと思った日に取りにくる。その日は朝からとても晴れ渡る日で暖かく、3羽のスズメのさえずりと一羽のカッコーの声を聞くだろう。それが合図だ。』 そういうと悪魔は雨粒の中に消えた。 僕はバベルの塔を探して歩いている。 PR |
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