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2008 06,08 04:06 |
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久我山で今日明日、蛍祭りやってますよ。
行ってきました。 って言っても、何か今日は日記を書く気になれないので、僕が過去にmixiで記事にした日記と言うか小説と言うかシノプシスというかを、そのまんま転載したいと思います。 案外好評いただいたんスヨ(^▽^) 以下転載記事です。 ================================= ■日記《ろけっとと『蛍の川』》2008年2月23日 ぼかあね、見たかったよ。。。 マイミクさんの記事で本日種子島宇宙センターからのロケット打ち上げのストリーミング放送があると、、今、読んで。。本日の15時に打ち上げ成功したらしいです。 みれなかったあああーーーー!!!! ぼかあね、この種子島宇宙センターには思い入れがあるの。 それはね、20代の頃に小説を書いたんですよ。 近未来SF。 少し話したい気分。 =========================== 小説《蛍の川》をシノプシス風に語ります。 長い日記なので、コメントはいりませんからね。 興味があったら数年かけて読んで下さい。 時は近未来ね。 純日本初の有人ロケットが打ち上げ、という時代。 丈太郎ってカメラマンがいてね、彼はもう田舎を捨てて都会で成功した人間なんです。 成功して物質主義の頂点に君臨し、酒も女もセックスも、欲しければ何でも買える暮らしをしていたのね。 そこへ田舎の母から連絡が入る(ばか騒ぎのパーティーの中ね)。 幼い頃の友達だった女の子が死んだと。 葬式があるから帰れるようだったら一度帰って来なさい、と。 彼はもう何年も実家へ帰る事はなかったのね。 彼はいい機会なので田舎に帰る事を決意するわけ。 ここで今考えると何故だ?と思うのだが、彼は車で帰るのだ。 まあいい、近未来だし、SFでありファンタジーなので実際の交通は、ここからは無視して読んでくれ。 夜の海岸沿いの道路。 そう、日南海岸をイメージした。 対向車は皆無。 時折、台風の名残なのだろう、雲の隙間からゴウ、と稲妻が光り、それがこの漆黒の空間に一種の《彩り》を加えていた。 彼(丈太郎)は運転しながら、ラジオから流れてくる古い音楽(70〜80年代?)を漠然と聴いている。 いや、聴くというよりむしろ通過していると言った方が適切だ。 ただのリズムと音程が、丈太郎の血液を巡り、白い吐息となって放出されていたに過ぎない。 脳で考えていたのは全く別の事。 そう、幼なじみの女の子のことである。 小学校の低学年の頃、その女の子は海外から転校して来た。 国は覚えていない。 ただ、海外から転校して来たと言うだけで、目が青かったわけでも髪が金髪だった訳でもない。 その女の子は普通に日本語をしゃべった。 勿論、転校生ということもあいまって、彼女はクラスの人気者だった。 丈太郎は、彼女がもてはやされるのに軽い嫉妬を感じながら、しかし彼女への憧れ(小学生の抱く幼稚な)はどうしようもないもどかしさの中に大きくなるばかりだった。 さて、彼女の家だが、実は丈太郎の家の隣りだった。 これは彼女が転校して来た初日に知った。 担任の先生が 『おうちは丈ちゃんとお隣よ。』 と言ったおかげで、例え一瞬ではあるが、丈太郎はクラスの羨望の的になったのだ。 彼女とはよく二人で遊んだ。 学校では、まるで知らない他人のように振る舞い(振る舞うというか、学校では自然と体が動かなかった)、学校から帰ると彼女を独占する喜びに、密かに浸っていた。 隣同士なので親同士も自然とふれあうようになっていた(これは一番好都合だった)。 =========================== 【=まだ動きは動きはありません。何も起らないような静けさに包まれています。種子島宇宙基地からお伝えしました=】 =========================== 途切れ途切れのラジオ放送が、また地方DJの声に変わり、古くさい音楽に切り替わった。 丈太郎ははっとした。 『もうそんな時刻か』 明日の朝、この国初の有人宇宙ロケットが種子島から発射する。 きっと、街では大にぎわいである。 そんな明日の朝、 『俺は友人を一人(送り)に行こうとしている。』 皮肉な話だ、と丈太郎は一人つぶやいた。 自分だって大昔に夢を持っていた。 そう、小学校の時に書いた作文には、《宇宙飛行士になりたい。》 たしかにそんな事を書いた。 あれは、夏休みの課題で絵を書いた時だ。 丈太郎は、夏休みが終わる直前になって慌てて絵を描き始めた。 義務感や責任感からではなく、純粋に叱られるのが怖かったからだ。 思いつくまま描いた。 やっぱりロケットの絵だった。 まあ、これでいい、そう思って提出したものが、なんと市の入選作品に選ばれてしまった。 気が付くと丈太郎は表彰台に立っている。 フラッシュの光りがまぶしく、嫌悪感すら感じた。 市長が氷のような目で表彰状を丈太郎に渡す。 太っていて気持が悪かった。 記者たちの前で義務的な握手を交わす。 市長が射程距離を遥かに無視した声量で、丈太郎に言った。 『おめでとう。将来は有名な画家になるのかな。』 丈太郎は本心を押し殺して、はい、と答えてしまった。 そして、ピカピカの油絵の具セットを渡された。 今でも古い荷物のどこかにあるに違いない、捨てた記憶はないのだから。 ともあれ、現在に至るまで一度たりとも使った事はなかった。 丈太郎は、市長の脂ぎった手をゆっくり離して、そのままズボンのポケットに手を入れ、失礼のないようにゆっくり手を拭いた。 キキーーーー!!! 丈太郎は慌ててブレーキを踏んだ。 車の前を何か横切ったのだ。 獣? 一瞬だけヘッドライトに照らされたその獣には、確かに角があった。 そうだ、ここら辺は獣が普通に出る。 おそらくシカか?? まあいい、危ない所だった。 霧も深くなって来た。 少し注意しなければいけないようだ。 =========================== 【えー、総全長が…・メートルになります……推進剤には…・を使用。パイロットによる最終チェックの模様は…時頃から…】 =========================== ダメだ。 丈太郎はラジオを切った。 眠気の原因はおそらくこれだ。 ここら辺は電波がいまだに届かない地域だ。 丈太郎は車の窓を開けた。 前日まで続いていた台風の影響だろう。 風は生温く感じた。 この台風は、この国初の有人ロケット打ち上げにも影を及ぼそうとしていたが、幸運にもそれは免れたようだ。 予定どおりの発射という吉報は、この国に済む大半の人間に夢と希望を与えようとしていた。 ======================== 彼女との思い出はいくつもある。 夏休みの、地域のソフトボール大会。 丈太郎は球技が苦手だったし、団体行動も苦手だった。 だから、ソフトボールなんかもってのほかだったのだが、義務感でもない責任感でもない、誰かに(叱られるのではないか?)という被害妄想が、丈太郎をその場所に行かせるのである。 案の定、丈太郎は仲間には加われない。 参加しているとは名ばかりで、グラウンドの片隅で草を千切り、それを編んで《虫かご》を作っていた。 そこへ彼女が登場、興味津々だ。 彼女は丈太郎に、何を作っているのか?と聞いた。 丈太郎は、虫かごを作っていると答えた。 彼女が奇声に似た表情の声で叫ぶと、彼女の友達連中がわっと丈太郎の前に群がった。 丈太郎は、円の中心に居ながら、ついにその手を止める事が出来なくなってしまった。 草も、川もあった。 山も海もあった。 彼女は草も川も、山も海もない所から転校してきたので、それらを全く知らなかった。 だから丈太郎は、彼女を独占出来る日は大草や川や山や海を教えに行った。 学校では引っ込み思案な丈太郎だったが、彼女を独占している時だけ、妙に強くなれた。 だから、無理をしたことも何度もある。 山へ二人で入って行った。 いつもより深い森の中。 探検と称したその遊びは、いつもならピクニックのように幕を閉じるのだが、その日は違った。 森の中で丈太郎は方向を見失ったのだ。 夕暮れが近い。 丈太郎は少し不安になっていた。 彼女はと言えば、いつものように何の不安も感じず、鼻歌を歌いながら丈太郎の後に続いていた。 丈太郎の鼓動は早くなる。 かつて感じた事もないような血の熱さを感じていた。 聴こえるのは自分の息づかい。 足元の草木や枝の切れ端を踏むたびにパキパキと折れる音。 彼女の鼻歌は次第に、フィルターがかかったように遠く聴こえるようになっていった。 そして、彼らは発見した。 地面から天を指すように伸びた、巨大な一本の黒い塊。 ツタが絡まり合い、隠れるようにそれはそこに存在していた。 樹々の葉の間からこぼれ落ちた一筋の光に反応した鈍い反射で、その黒い物体が鉄の塊だと言う事が解った。 丈太郎は息を呑んだ。 彼女は目を丸くして、いつもの元気はどこへやら。時間が止まったようになっている。 丈太郎の鼓動が早くなった。 一歩一歩、近づいた。 前へ進もうとする力と、後ろに下がろうとする力が同時に働き、微妙だが前者が勝つ感じだった。 『怖い』 彼女が言うが丈太郎には聴こえなかった。 そしてその物体に触れる距離にせまった時、それが何だったのか初めて解った。 『戦車だ!』 丈太郎が叫ぶ。 緊張感を保ちながら、それでも丈太郎の声に安心したのか、1人残される事に恐れを感じたのか、彼女は走って来て丈太郎にしがみついた。 『帰りたい。』 地面に半身埋まった戦車があった。 大戦の名残。 あるいは沈黙する荒神か。。 その砲台は、今尚威厳を保つかのように天の、否、そのまた先を指差していた。 丈太郎も怖かった。 だがわずかばかりにも好奇心の方が勝ってしまう。 2人は戦車のハッチの前に立っていた。 『やめて、お願い!』 彼女が今にも泣きそうな声で叫んだ。 丈太郎はそっとハッチに手をあて、そして一瞬ためらい、唾を飲み込むと、ほとんど無意識にハッチを開けた。 ギギギギ。 その音は警告のように聴こえた。 ========================== ========================== 彼女の葬式は厳かに行われた。 午前中のうちには全てが終わった。 数年ぶりに再会した母は、少し老いていた。 彼女の両親には結局 『残念です。』 としか言えなかった。涙はない。 彼女とは小学校を卒業してから一度だけ会った。 数年前帰省した際、街でばったり会ったのだ。 結婚したのだと聞いた。 IT関連の仕事をする人が旦那さんで、幸せに暮らしている、と。 はつらつとして話す彼女に対して、幼かった日の心の動作はなかった。 ただ、また電話で話そうと言って電話番号だけ交換し、それは今でもサイフの中に入っている。 それが最後。 『丈ちゃん大きくなったね、立派になったね。』 彼女の母親が悲しみを押し殺して丈太郎に語りかけた。 ============================ 【まもなくロケットが打ち上げられようとしています。あーっと今煙のようなものが見えてきました。】 ============================ TVから打ち上げの模様を母と見ていた。 『母ちゃん。。。。』 『なんね?』 『俺、仕事やめようと思う。』 『なんごてね?(何故?)』 『解らん。』 沈黙。 テレビからはケープカナベラル式のカウントダウンが始まっていた。 そしてゼロを告げると、ロケットはゆっくりと、そう、ゆっくりと暗闇を指して進み始めた。 『何でンよかが。ぴしゃっとせんね。』 母が言った。 母はいつになく母の顔をしていた。 丈太郎は窓の外を見た。 都会の喧騒と別世界だ。 草がある。 そして、蛍が銀河のように夜を気持良さげに舞っていた。 ーおわりー =============================== あー疲れた。 原作はワープロ時代に作ったものなので、大掃除すれば出てくるでしょうが記憶の奥深くです(笑)。 実際はもっとずっと長いんです。 いやー、長い日記でしたね。 興味があったら数年かけて読んで下さい。 (^▽^) PR |
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吐息するの?
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