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Let's put a new coat of paint on this lonesome ol' town. Set 'em up we'll be knockin 'em down. You wear adress baby,I'll wear a tie. We'll laugh at that ol' bloodshot moon In that burgundy sky(TOM WAITS).
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2014
11,13
22:03
マイケル・ジャクソン /エレキテル草紙
CATEGORY[☆日記]
『持論/レポート』
マイケルジャクソン。。え?
これのどこが浮世絵風?
今回、浮世絵の線を体験したくて、どういう感じで描けば浮世絵風になるかを研究したくてやってみてるのだけど。。
浮世絵をやるならば版画で体験しなくてはダメだ、CGなど、と思われるかもしれないが、別に浮世絵師を目指す訳でなし、ただ浮世絵の線を分解してみたいだけなので、自分としては充分な試みなわけだ。
浮世絵と言えば何かこう抽象画的な、デフォルメ的な印象を昔は受けていたのだけど、今は違う。
それはとても写実的な世界なのだな、と思うに至った。
以前、何点かの浮世絵(風景画)をトレースする機会があったのだけど、その際にこの世界観の独特さは一体なんだろうと強く疑問に思ってた。
同時期に歴史を勉強する為に東京各所の名所を訪れた。
そこで見る『江戸の名残』のような風景は、間違いなく浮世絵の世界だと感じた。
手入れのされた松。
手入れされてると言ったのは単にハサミが入ってると言う事ではなく、配置、或はその配置の継承、そういったこと全般を言いたいのだけど。
そんな風景を見てると、『東京』という都市には失われた『江戸』が存在し、また『ああ、浮世絵というのは写実画だったのだなあ』と思う。
そこにおそらく伝統の作風、メソッドというか、『絵とはこういうものだ』という描き方があるので、浮世絵等はあのような独特に見える作風になるのかもしれない。
ともかく、けっして奇を衒ってわざとデフォルメさせて描いているわけではないだろうと思う。
それは例えば着物の柄の緻密さ、建物のディテールまで描きこんでいるのを見ると、『いかにリアルに伝達しようとしたか』と、僕は感じる。
面白い事に、輪廓を描き、色を落としていく浮世絵(版画)の技法は、まるごと現代のアニメーションの世界だ。
このような技術の継承があり、そのような感覚が染み付いているから日本人はアニメーションというものを、かくも受け入れる事が出来た所以かもしれない。
そうやって見るようになってから、(浮世絵の)人物画にもやっぱり写実性を感じるようになった。
以前は『この動きの少なさは何だろうか』と思っていたのだけど、それは当時の人々の『所作』だと気付いた。
一度、両国の露店で地酒がふるまわれていたので、僕もそれをちょっといただいた事がある。
その時に着物姿の(おそらく江戸っ子と思われる)老貴婦人がおちょこをクイっとやるのを見た。
歳は70代くらいだろうか。
慣れた手つきで酒をやった後に、さらりとおちょこを拭き、『ありがとう』と店主にそれを返した。
その手つき、姿勢、首から胴までの回転角、足の曲線。
惚れ惚れするくらいにカッコ良かった。
そして、そういう動きこそが、浮世絵に封じ込められた本当のメッセージなのだろうと思った。
浮世絵は色やデザインを伝達しようとしたのではなく、もっと人間の動きや文化の特徴の本質を伝達しようとしたんじゃないだろうか。
『こういう絵を描きました!』
ではなく
『こういう印象的な瞬間を自分は面白く感じるんだが、あんたどうだい?』
『ああ、こいつはよく解る。おいらもこういう瞬間が好きだ。』
『そうだろう。』
そういうことではないかな。
ある意味、ジャーナリズムではないかと。
と、考えると、その昔一世を風靡した『萌え』という言葉。
『これって萌えない?』
『キター!』
っていうのと同じ感触だ。
つまり、こりゃあ日本人ってやつは何も変わってねえな、と(笑)。
さて今回はマイケルジャクソン。
役者絵ふうに切れ目にして隈取りメーキャップをしようかと思ったけど止めた。
当時の人たちが『所作』に萌え、表現したならば現代は現代の『萌え』感覚を採用すれば良い。
隈取りメーキャップも、歌舞伎の見栄も、浮世絵然とした猫背も必要なかろう。
必要なのはマイケルジャクソンの『所作』だ。
これまで浮世絵を観てきて気付いた技法は盛り込もう。
僕が気付いた点は直線と曲線。
特に浮世絵の曲線は躍動的だ。
そしてその線は、実は手塚治虫先生やディズニーの線に合致すると僕は感じる。
それから顔の角度。
これはじつに面白い。
浮世絵の顔の角度はほとんどが斜め(45度やや角度切り込み)だ。
真横顔(90度)を描いた北斎のコレ(葛飾北斎・百物語・番町皿屋敷)
http://www.umakato.jp/archive/ede/05_01.html
はとても異色なのではないだろうか。
僕はこう分析する。
描いて見ると解るけど、真横顔(90度)というのは神々しく、どこか人間ではないような印象を受ける。
エジプトやメソポタミアの絵を見ると真横(90度)の顔が多いので解り易い。
この神々しさ、人間では無いかのような感覚は何か?
それは横顔(90度)という事で、『目(眼球)』が1つになることに起因するかもしれない。
鳥、牛、山羊、ウサギ、etc...などは目(眼球)が頭部の真横についている。
故に物を正確に観るのが苦手だと聞いた。
これに反して捕食動物は物体の動きを正確に捉える必要がある為に、目(眼球)が前に2つという進化をしたらしい。
例えばティラノサウルスは目が前に2つ付いている。
図
現代の人間は捕食動物ではないが、物事を正確に見極める為に同じ発達をしたのだろう。
捕食動物ではないと言っても、その昔は狩猟が主だったわけだし、他の様々な面に於いてもやはり視覚が発達する必要があったと思う。
僕の持論は別としても、当時の浮世絵師たちは『横顔はなにかおかしい』『真横はなにかむずかしい』ことに気付いていたんじゃないだろうか。
故に浮世絵の人物画には真横の顔が少ないのだと。
少なくとも一因ではないかと。
そんな気がしてならない。
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