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Let's put a new coat of paint on this lonesome ol' town. Set 'em up we'll be knockin 'em down. You wear adress baby,I'll wear a tie. We'll laugh at that ol' bloodshot moon In that burgundy sky(TOM WAITS).
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2011
06,29
11:52
ラストワン
CATEGORY[☆日記]
昨夜は金属造形デザインをしている
犬塚昌久
さんと酒を飲んでいた。
んまあ、連日飽きもせず飲み歩いているものである。
犬塚さんとは随分古くからの仲なのだが、昨日は真鍮でデザインされた小さな箱をプレゼントされた。
それには小さくシックなフォントで【LAST ONE(ラスト ワン)】とだけ刻印されている。
もうお分かりだろうが、煙草一本がドンピシャのサイズで収まる箱だ。
真鍮だけあってその重さ、光沢に高級感がある。
犬塚さん自らの設計、加工によるもの。
映画『ミザリー』をご存知だろうか?
主人公は作家。
物を書く仕事というのはいろいろ頭を使うのだろうし、ある程度の禁欲と背中合わせにならなければならない仕事なのだろう。
記憶が正しければ山荘に閉じこもり本を書いている所から始まったと思う。
本を書き終えたときの気分とはどういったものだろうか、僕の幼稚な想像力でもおおかたイメージに固くない。
それはある種の解放感とともに達成する『儀式』の瞬間なのだろう。
この映画で主人公の作家は、書いてきた本を了とした時、一本の葉巻を取り出して楽しむ。
その描写はまさに儀式に見える。
こういった儀式はしばしば映画や小説で描かれる。
それはおそらく自分の生活に刻印を施す行為なのだと思う。
『男のロマン』だ。
犬塚さんが僕に作ってくれたこの『ラストワン』もそんな男のロマンだ。
氏との昨夜の会話の中からそのコンセプトを引用すればこうだ。
禁煙の云々に関わらない。
一日の締めの一本を決定し、それを懐中に忍ばせる事で生活へのメリハリが演出出来る。
その演出を自ら楽しもうじゃないか。
というものだ。
僕の携帯カメラの精度が悪いので、このロマン溢れる小さな文字を切り取れないのがとても残念。
この蓋をの裏には僕の名前『SHIRO』もさりげなく刻印されている。
犬塚さんのコンセプトを受け、僕は
『これは棺桶です。』
と言った。
魂の棺桶だ。
それには予め自分の魂の一部を封印する。
蓋を開けるのは再びその魂を解放し、一つになる為のもの。
ドラゴンボールの最期の1玉を探すようなもの。。。(なんちゅう例え)
最後の一本。
今日一日の最後か、自分の人生の最期か。
いずれにせよ『最後の一本』を持ち歩くという事は、大いなる楽しみだ。
未来を持ち歩いている。
途中の道のりにどんな過酷な事が待ち受けようと、自分だけは結末を知っている。
それはこの一本に集約されるのだ。
ある意味『予言の箱』ということにはならないか。
未来を持ち歩く男。
『ラスト・ワン』だ。
金属デザイン/犬塚昌久 氏
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