最終章だ。
さっき東京自宅へ着く。
22:30。
まず、まず熱い風呂入りたしね(笑)。
忘れないうちに今日のことを。
携帯の充電が瀕死だったのでこれまで更新は出来ず。
まあいいじゃないか。
思い出なんてもんは心にしまっておくが一番美しきかな。

今朝は朝早く起床。
10:00にはチェックアウトして、まず宮島(厳島神社)へ向かう。
平清盛ゆかりの神社ね。
日本の霊的地場形成のため建立されたっていうのを以前何かで読んだ記憶も。
今日の宮島は生憎の曇り。
でもやや灰色がかった空は、壮大な歴史を感じるにむしろ相応しい。
僕は厳島神社を参拝するのはこれで2回目。
以前は5年ほど前だったのかな？
思い出す懐かしい日々。
妻は初めての参拝だったよ。
焼き牡蠣をあちらこちらで売ってて、もうたまんない匂いがそこら中に。
焼き牡蠣12個、牡蠣クリームコロッケ4個。
一つのお店ではないけど、宮島滞在中に夫婦でその数を平らげた。
それから微妙なイカ焼きも。
牡蠣は旨いねー。
ぼかあどちらかと言えば生牡蠣より焼き牡蠣なんだよなあ。
そりゃあ生牡蠣も捨て難いけどね。

雨が降って来たよ。
さて、ちらほら降る雨に、霧に包まれたようになりながら、民家の坂を下る。
宮島の民家は美しいね。
土産物屋で傘を買い、フェリーに乗った。

我々は広島、という言葉を口にするとき、どういう思いを抱くだろうか？
昔、ものすごい光がここの全てを奪ったことを忘れてはいけない。
そして光の後、空は黒く赤く、地上の地獄になった。
このことを忘れてはいけない。

ぼくが原爆ドームに行き、平和記念館に絶対行っておきたかったのには訳がある。
数年前他界した祖母は、僕に一冊の手記を残した。
祖母は原爆被害にあった人間ではない。
しかし、満州から追われ、日本に帰国し、戦争を生で体感した人間だ。
僕は幼い頃からそう言う話ばかり聞かされていた。
ロシア人、青酸カリ、爆死。
そして晩年に祖母は、その一連を手記に残している。
祖母が何故にその手記を僕に託したのか、今になって初めて理解している。
僕がやらなければいけないこと。

若い頃、そう、学生時代。
友人と戦争のことで議論となった。
僕は問われた。
【いつまで悲惨な過去を語るのか】
【時代は変わるのだから、未来に眼を向けるべきではないか】

僕はこう思う。
【いつまででも】
いつまででも語り継がなければならない。
それは、アメリカ人を痛めつける理由ではない。
過ぎた過去なのだ。
怒り、、、それは少し違うかもしれない。
悲しみか？
それも違う。
矛先が、自分以外の誰かに向けられるものでは決してないと思う。
それは【恐怖】に他ならない。
恐怖を語り継ぐんだ。
未来の為に。

祖母の残した手記を僕は表現したい。
今回のしいさな旅を、僕は単なる夫婦の旅行で終わらせるつもりはなかった。
闇。
闇で覆う。
ぼくらは無言で館内を歩いた。

多くの外国人が来ていたよ。
みんな真剣なまなざしです。

大阪弁が聞こえてくる。
50代〜60代のおじさんおばさん。
断言する。
そこはけっして談笑する場ではない。
はたして真剣な外国人の方々はその大阪弁をどんなふうに感じていたのだろうね？bぼくらは宮島で買った土産物袋を持ち込むことすら適切ではないと思ったので、全くの手ぶらでそこへのぞんだ。
多くの観光客はそうするのではないか？
ましてや大声で談笑など。

表現の自由。
それが僕らには与えられている。
映画『スパイダーマン』を観た？
【大いなる力には、大いなる責任が伴う】。
そんな台詞があった。
僕らは今、いつの時代も未来を前にして立ち、手にした持ち物を再確認しながら何が出来るのか。
歴史は泡のように消え去っていくものであっては、けっしていけない。


16時台の新幹線に乗って、僕らは東京を目指した。
そして、帰宅。
全ては終わった。
解散。

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